ゴミ箱

適当な事を適当に書く

心の旋律のコード進行について

耳コピしてる時にふとコード進行を眺めているといろいろと勉強になったのでメモ.

雑な知識で雑なことを書くのでツッコミどころがあれば指摘をいただけるとありがたい.


【高音質】心の旋律【歌詞付き】

話題にするのは TARI TARI というアニメに登場する合唱曲.

本来はEメジャースケールだけど,分かりにくいのでCメジャースケールに転調した状態でコード進行を考える.

私が1番のみ耳コピした感じでは,以下のような進行になっている.
だいたい1拍ごとのコードを記述し,前拍と同じコードの場合 = と書く.

イントロ

C = = = | Am = = = | F = = = | G = = =

Aメロ

C = = = | Em = = = | F = G = | C = = = | F    = = = | Am = = = | Dsus4 = Dm = | C = G =
C = = = | Em = = = | F = G = | C = = = | Em = = = | Am = = = | Dm      = F    = | C = = =

つなぎ

C = = G

Bメロ

Am = = = | Em = = = | F = G = | F = C G | Am = = = | C = = = | B♭ = Am = | Gm = Gsus4 G

サビ

C = = = | Em = = = | Am7 = = = | C        =    = = | F = G7 = | Em = Am = | Dm = =    = | D7sus4 = G        Gadd9 |
C = = = | Em = = = | Am  = = = | Esus4 Em = = | F = =    = | D    = =    = | C    = Am = | Dm        = Dsus4 =

 

このままではまだ良くわからないので,sus4とかセブンスとかは取っ払った上で,代理コードをトニック(C)・ドミナント(G)・サブドミナント(F)に置き換えていく.

イントロ

C = = = | C = = = | F = = = | G = = =

Aメロ

C = = = | C = = = | F = G = | C = = = | F = = = | C = = = | F = = = | C = G =
C = = = | C = = = | F = G = | C = = = | C = = = | C = = = | F = = = | C = = =

つなぎ

C = = G

Bメロ

C = = = | C = = = | F = G = | F = C G | C = = = | C = = = | B♭ = C = | Gm = C =

サビ

C = = = | C = = = | C = = = | C = = = | F = G = | C = = = | F = = = | F = G = |
C = = = | C = = = | C = = = | C = = = | F = =  = | D = = = | C = = = | F = = =

 

こうしてみると,ほとんどが (Ⅳ →) Ⅴ → Ⅰ や Ⅳ → Ⅰ で構成されており分かりやすい.ドミナントモーションとその仲間たちという感じ.

ところが,Bメロのラスト2小節とサビの最後から3小節目に,Cメジャースケールのダイアトニックコードに含まれないコードが出現する.耳で聞いた感じ,なんだか転調しているような雰囲気がある.

なぜ違和感のない部分転調になっているのだろうか.実は,この2箇所には別々のテクニックが使われている.

同主調転調

まず,Bメロの B♭ Am Gm Gsus4 という動きについて.

ここには同主調転調が用いられている.同主調とは,同じトニックを持つ主調とは異なる種類の調である.たとえば,Cメジャースケールの同主調はCマイナースケールとなる.

同主調は主調と相性が良いため,同主調のダイアトニックコードからコードを借りてきてもいい感じに馴染む.

Cメジャースケールのダイアトニックコードは C Dm Em F G Am Bm,Cマイナースケールのダイアトニックコードは Cm Dm E♭ Fm Gm A♭ B♭ となる.Bメロラストに現れる B♭ と Gm同主調から借りられたものであった.

ただ,ちょっと納得行ってないのが間に挟まってる Am である.この2小節はマイナースケールになっているはずなのだが,コイツはメジャースケールから出てくるコードである.むむむ?

ドッペルドミナント

次に,サビのラスト3小節目の D について.

こいつはドッペルドミナントというやつで,あまりにもよく使われるのでもはや転調扱いしないらしい.

ドッペルドミナントとは,属調ドミナントのことである.属調とは,主調のドミナントをトニックとする同種の調のこと.つまり,Cメジャースケールの属調はGメジャースケールとなる.Gメジャースケールのドミナントは D なのでCメジャースケールとも馴染むということであった.

理屈で考えると D G C という動きが自然な気がするが,この曲を見ると D C という動きでも大丈夫のようだ.

ざっと調べた感じ,ドッペルドミナントは安心感を与えるコードとか言われている.たしかにコイツ単体だと不穏な感じだけどその後にトニックが来ると「めでたし,めでたし」感がある.

 

ちなみに,同主調属調平行調(同じダイアトニックコードを持つ主調とは異なる調)・下属調(サブドミナントをトニックとする同種の調)をまとめて主調の近親調というらしい.近親調は主調と相性が良いので,ちょっとくらい紛れていてもそこまで違和感が無いという雑な理解である.

参考文献

部分転調 | ギター講座 上級 | ギター講座オンライン

【上級者向け】借用和音【理論と用法】 | Creators-House-LABO | Creators-House-LABO